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【東方考察】幻想郷の地図を考える(5)

それでは続きです。

前回「妖怪」の例外として挙げた座敷童、これをどう位置づけるかをまずやります。

なお今回の内容は現時点で単行本未収録の茨歌仙14話にがっつり絡むので、ネタバレが嫌な人はスルーしてください。


まず自分自身に訊いてみる。「座敷童って妖怪か?」

10人中(私を含めた)8,9人は「妖怪だ」と答えると思います。通俗的感覚からいって、座敷童は妖怪なのです。

しかしながら、東方的妖怪観に於いて、「座敷童は妖怪」には素直に肯定しにくい面があります。

例の大雑把な分類の上では問題ないのですが、役割・特徴においてはかなり異質、というか相容れません。

また、てゐは「個性として」人間を幸せ(幸運)にする妖怪ですが、座敷童は「種族として」人間を幸せにするという意味で大きな隔たりがあります。

この「人を幸福にする、人から好かれる"妖怪"」の特異性にはZUN氏も気付いていて、やむを得ず付加されたのが「スパイ」という役割ではないか。

これによって座敷童は「人に害をなす」存在になり、幻想郷の妖怪として認められる。という感じで座敷童は登場を許されたのではないでしょうか。

::::2013.1.26.追記::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
座敷童についてのこの考察は、私の「座敷童は単に人(家)を豊かにする妖怪だ」という認識に従って書いたものです。
しかしこの理解は間違っていたかもしれません。詳しく調べてから必要なら修正したいと思います。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::


さて、ここから「妖怪の賢者」の役割について考えていきます。

といってもはっきり分かっている事で、妖怪の賢者の役割は「幻想郷の維持」なのですが、具体的に何をやっているのかという事です。

まずひとつは、座敷童や、その他多くの妖怪を「幻想郷の妖怪」と認める役割。

またこれ以外にも結界の管理、幻想入りした物品の管理、食料係など多くの役割を妖怪の賢者は担っています。

さらに儚月抄には面白い記述があります。紫が藍に月への侵攻の理由を語るシーンで、比喩的ではありますが「住民税」という概念を出しています。妖怪の賢者は幻想郷社会にとっての徴税者でもあるようです。

総じて考えれば、妖怪の賢者は幻想郷の「役所」という役割を担っているように思えます。

この役所という観点から妖怪の賢者を探ってみます。

ところで妖怪の賢者といえば紫ですが、『史紀』には「賢者の一人」と記述されている為、他にも妖怪の賢者が存在している(いた)と思われます。しかしはっきりと活動している様子が描かれているのは紫だけなので、当ブログでは妖怪の賢者=紫として扱います。

役所の仕事を列挙してみます。

・人事
・防衛
└徴兵
・財務
└造幣
・税務
・環境整備、開発
└結界
└上下水道
└エネルギー
└道路・河川などの都市整備、防災(消防)
└廃棄物処理
└公害対策
・地籍管理
・戸籍管理
・福祉
・教育
・医療
・産業振興
・観光振興
└文化財保護
・広報
・立法(議会運営)
└請願・陳情
・司法
└法令管理

大まかにいってこんなところでしょうか。

役所といえば行政・立法・司法です。それぞれが独立して互いを監視するのが近代の外の世界では理想とされていますが、幻想郷では分立は為されているのか。

またこれらは、妖怪・人間どちらに対しても及んでいなければ高度な自治を実現する事は困難に思えます。

紫がそれを実現しできているのか、上の一覧に当て嵌めてみると・・・
(●対妖○対人。▲△は外部委託、独立型自治)

●○・人事->幻想郷にとっての最低限の人事はやっている(博麗の巫女や事務として式神)
●○・防衛->重大な異変の解決はやっている(永夜抄、緋想天)。月などからの侵攻に対しては多分手が無い。
●○└徴兵->月面侵攻のときに妖怪を集めるだけの権威はある
―△・財務->妖怪側は金で回る社会ではなさそう。人間側の財務にはおそらく手を出しておらず、自治か。
――└造幣->幻想入りした貨幣を使っている
●○・税務->「住民税」とは「社会参加の強制」。それ以外の税は取っていない。
――・環境整備、開発->多くはやっていない。紫より適任者が多そうなので、大方外部委託。
●○└結界->唯一確実に管理しているといっていいもの。
?×└上下水道->インフラ整備はリアルな幻想郷を考える上で悩みの種。今後考察。
?△└エネルギー->電気は通っているらしいが整備者は紫ではないだろうから謎。燃料の薪は、人間側は林業が発達しており問題ないはず。妖怪にも林業従事者がいるのかは謎。そもそも必要としているのかも分からない。
▲△└道路・河川など都市整備、防災->都市(というか里)整備は自治か。
??└廃棄物処理->これも悩みの種。自然物なら昔ながらの知恵で何とかなるが。
××└公害対策->工業化が進めば問題になってくるだろう。現時点では不要か
―?・地籍管理->多分していないが一番係争の元になりそうな事柄でもある。妖怪なら力の論理、人間同士なら自治でどうにかできるが人妖の利害が絡んでくると一筋縄ではいかない。
??・戸籍管理->新参者の管理くらいはやっていそうだが謎。税が無いなら管理する必要なしか
―△・福祉->多分何もやっていない。助け合い社会。
●×└食糧->人間を取ってくる。しかしそれ以外は無し。
―△・教育->対人は慧音とか他の識者。妖怪には不要
―△・医療->対人は里の医者とか永琳。妖怪には多分不要
??・産業振興->当ブログの主題に関わる分野。今後考察。
――・観光振興->不要
××└文化財保護->地形を変えるような活動も黙認
××・広報->行政サービスがほぼ無いので広報の必要が無い

??・立法(議会運営)->スペカルールや最低限の取り決めを、議会でなく賢人会議のような形で行い、それ以外はやっていない。
??└請願・陳情->妖怪退治を博麗の巫女に頼んだりするのを見る限り、専門の者に直接掛け合わないといけないらしい。自治組織の存在が疑わしい。

??・司法(民事、刑事)->賢者は基本何もしない。一から十まで決闘はありえないので揉め事は寄り合いで解決しているのか
××└法令管理->魔理沙の窃盗すら裁けないようでは法整備は為されていないと言って良い。


どうも紫個人では役所として機能していないようです。(一人で役所が回らないのは当然ですが)

上の一覧で「外部委託」や「(行政を介さない)自治」と書いたものを含めれば、大凡成り立っているように見えますが、結構問題は多く、「インフラ、廃棄物処理」「戸籍・地籍管理」「食糧」「産業振興」「司法・立法」といった問題を妖怪の賢者は放置しています。

三権分立も、司法府・立法府が「寄り合い・決闘」「賢人会議」では成り立つものではありません。

おそらくZUN氏の意向として、理想郷たる幻想郷では行政どうこうより自然発生的な自治(自治以前の「助け合い社会」程度のもの)に、かなり漠然と期待している部分が大きく、こういった細部を詰める必要は無いと判断されているようです。

しかしリアルな幻想郷を考える当ブログでは、その点は重要課題であり無視はできませんので後々詰めていきます。

役割の考察に戻りますが、妖怪の賢者=役所という説明は適当とは言い難いものでした。

では別の切り口から考えるべきなのかといえばこれもまた微妙で、妖怪の賢者は実際のところ役所のごく一部を担っているだけの「不完全な役所」に他ならないのです。

『口授』の冒頭では白蓮・神奈子から「幻想郷の人間は妖怪に支配されている」とありますが、これの解釈は役所や行政という言葉を使って行われるものでなく、精神的な、より根本的な上下関係であると考えた方が良いのかもしれません。

実際、幻想郷が(結界が)壊れて困るのは基本的に妖怪のみであり、人間は外の世界の常識に染まれば(多分)生きていけるのにも関わらず、檻のような幻想郷から出ようとしない。これは妖怪>人間という価値観が浸透しきっているからではないでしょうか。

『史紀』に於いて阿求が「里の中で妖怪に出会ったとしても、目上の者に接するように恭しく挨拶をしよう。(*高確率で目上の者)」と畏敬を推奨すらしているのが1つの論拠です。

そうであるなら、妖怪の賢者の大きな役割の一つはその状態を維持する事でしょう。

言い換えれば一種の「思想統制」を、暗に行っている。というのは言い過ぎでしょうか?




長くなりましたがこれで妖怪の賢者の考察は終わりです。

次回は人間と妖怪の関係の変遷を考察します。

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